真備町へボランティア行って来た

7月15日(日)に岡山県倉敷市真備町へボランティアに行って来ました。災害ボランティアは初めてです。

 

目的は、初心者の自分が1日ボランティア活動してどの程度役に立つのか知ること。

 

災害ボランティアをやったことないけど、ニュース見て気になっているという人は多いはず。初心者の方に参考になればと思い、書き残しておきます。

 

まず、ボランティアに行こうと思う場所を決めて、その自治体、社会福祉協議会、ボランティアセンターのホームページを見て情報収集しました。広島、岡山、愛媛などは上記のTwitterアカウントもありましたのでフォローしてると最新情報が得られます。

 

被災地に知り合いがいる人はそこに行けば良いと思いますが、初心者の人は被害の大きさより自分が車、電車で行くことが可能な場所を第一に選ぶべきです(行き帰りだけで右往左往するようでは話になりません)。 なお、被災地は渋滞しているところが多いので、公共交通機関で来るようお願いしている自治体もあります。

 

私は真備町に行こうと思ったので倉敷市災害ボランティアセンターのTwitterのアカウントをフォローして、ボランティアの受付場所、受付時間を知りました。

 

ボランティアの受付場所は中国職業能力開発大学校(ここに倉敷市災害ボランティアセンターがある)、受付時間は(7月14日に私が見た限り)よく分からず。注意事項として、現地は渋滞が起きているので公共交通機関を使って来てほしい、JR新倉敷駅北口からボランティアセンターまで送迎バスが出ていると書いてあったので、電車で行くことにしました。

 

そもそも土地勘も無いし、初心者はそれほど重装備にもしないと思うので、電車で行った方が良いです。泥だらけになりますが、最後にボランティアセンターで洗い流せます(ブラシと高圧洗浄機があります)

 

続いて、服装等の事前準備ですが、足裏に鉄板が入った長靴を持っていなかったのでホームセンターで買いました。他は帽子、マスク、長袖のシャツ、伸縮性のあるパンツ。飲み物は1.5リットル以上と新聞に書いてあったので500ml × 4本持って行ったのですが、結果的には足りませんでした。

 

上下の服は速乾性のある素材が良いです。泥だらけの家財道具を運ぶので上下泥だらけになります。私は活動後にボランティアセンターで水着にシャワー浴びる感じで泥を落として、そのまま自然乾燥させてました。この猛暑なのですぐ乾きます。(この方法は女性にはオススメしません)

 

事前に入っておいた方が良いと言われているボランティア活動保険ですが、各自治体の社会福祉協議会で申し込み出来ます。インターネット申し込みが出来ないところは社会福祉協議会が組織的になんとかして欲しいところです。入った上で行くのがベストですが、入っていないからといって行くのをやめる必要はないです。

 

そもそも初心者の人は明日、明後日、今週末、来週末に時間が取れたから行ってみようという感じだと思います。現地に行くという気持ちを大事にした方が良いです。

 

8時過ぎに岡山駅からJR山陽本線新倉敷駅に向かったのですが、岡山市の中心部は何の被害もなく、長靴履いて電車乗ると浮いてしまうくらい周りは日常です。ちょっと周囲の目線を感じました。山陽本線は福山までしか通っていなかったので、広島も大変なことになっているなと感じました。車窓から見る限り、JR沿線に豪雨被害は見当たりませんでした。高梁川を通過した時、川の両側に流木が流れ着いていたので、ここで初めて豪雨があったのかなと感じる程度です。

 

9時前に新倉敷駅に着いて、北口からボランティアセンターまでシャトルバスが出ていたので、それに乗りました。駅のセブンイレブンには商品が十分に置いてありました。

 

ボランティアの受付は氏名・住所・電話番号・ボランティア保険の有無、を記入するだけで時間は全くかかりませんでした。謎だったのはボランティア保険の有無に×を書いた人は、それで加入したことになりますとセンターのスタッフが言っていたのですが、本当なのか謎です。ボランティア活動保険は、タイプが基本タイプと天災タイプ、それぞれAプランとBプランの4種類あって、350円から710円まで、年度内の補償期間の保険料を払う必要があります。スタッフも慣れていない感じでしたが、全員一括であるプランの保険に加入したということだったのでしょうか。しかし、先程書いたようにこういうことも勉強だと思いますし、現地は人手が全く足りていないので、5分もかからず終わる手続きのためにボランティアを躊躇する必要はないです。

 

ボタンティアセンターには塩飴がおいてあって、自由に持っていける状態になっていました。

 

ボランティアセンターから更にバスで活動拠点の倉敷市真備支所に移動しました。5分くらいです。このバスの車窓から初めて被災地になりました。川の決壊の箇所や水没した車、2階まで水没して窓が抜けている家、井原線の高架下に延々と積まれた災害ごみ。

 

10時に到着すると、5人1組で班を作るよう社会福祉協議会のスタッフから指示を受けて、オリエンテーションを受けます。

 

オリエンテーションの内容は以下でした。

・連日の猛暑でボランティアスタッフでも救急搬送される人が出ている。20分活動したら10分休憩すること。

・14時15分に帰りのバスが出るので、それまでに作業を切り上げて戻ってくること。住人に作業の延長をお願いされても断ること。

・写真撮影は禁止

 

5人×14班=70人で、真備支所から25分ほど歩いて現場に行きました。ここで1軒10人で振り分けられて10時45分に作業開始。帰りは現地を13時45分に出発したので、現地での作業時間は実質3時間弱でした。

 

オリエンテーションの時に、せっかく大勢来ているのに何故こんな短時間しか活動させないのか理解出来なかったのですが、作業を始めて身をもって理解することになります。作業内容は、2階まで浸かった木造2階建のお宅の家財道具の運び出しだったのですが、泥水に浸かった畳やタンスの運び出しは想像以上にきついです。

 

適宜休憩を挟みつつ、お昼休憩を30分とってお宅の納屋にゴザを敷いて食事をとり、13時45分に作業を終了し、25分歩いて、真備支所に戻る。班長がスタッフに報告して班単位でバスに乗って、ボランティアセンターに戻り、泥を洗い流して、手の消毒をして解散。電車で来た人はJR新倉敷駅までシャトルバスが出ていました。

 

■やってみて初めて分かったこと

・ボランティア初心者でも役に立つ。だが、自分が思っているほど体力は持たない。

・真夏の炎天下のもとでしっかり活動できる作業時間は想像以上に短い。休憩取りながらでも4時間が限度。夏以外なら半日は作業可能。

・ボランティアセンターの受付終了は早い。住民は朝早くから作業して14時〜15時には作業を終えて避難所に戻る。その為、ボランティアも9時までには受付済ませて現地に入るべき。10時だと受付終了してる可能性あり。

・男性ボランティアが多いけど、女性ボランティアも求められている

(居間の畳やソファーは男がどんどん出せば良いのですが、2階の寝室や女性の部屋などは女性ボランティアが運び出ししてあげた方が良いです。重いものを男が運び出して、衣類や細かいものは女性が住人に聞きながら運び出すのがベスト。直接言われませんでしたが、そんな感じがしました)

・豪雨から1週間経って連日猛暑でも、浸水した家屋の中は全く乾いておらず泥だらけ

・マスクを付けた状態で作業をするとすぐに酸欠状態になって息が上がる

・ヘドロが手袋に付着して、グリップが効かず握力がすぐに無くなる

・ヘドロが長靴に付着して、足の踏ん張りもすぐになくなってくる

・濡れた畳は、作業開始直後は男4人で運び出していたが、2時間後には皆んな体力が無くなって男6人で運び出すのがやっとになってしまう

・床上浸水すると床が何箇所も抜ける。2階の床も抜けていて足元に注意しながらの運び出しとなる

・窓のガラス、人形入れのガラスなどは、土嚢袋に入れた人が、マジックで「ガラス注意」などと書いておいた方が良い。知らずに運び出した人が怪我をしてしまう

・濡れたタンスはバールで壊して分解しないと運び出せない。引き出しを別にしようと思っても水分で膨張していて引き出しが動かない。そしてバールで壊すと、釘が出て来て、運ぶ時に注意。ガラスと同様に、釘に注意して下さいと声を掛け合う必要あり。

・2階からの運び出しは、階段を使ってリレー方式にしたり、窓から放り投げるなど、体力を使わない方法を決めて作業すべき

・飲み物は2リットルではギリギリ。3時間で3リットルあった方が良い

(30分おきに500mlのペットボトルは飲み干してしまう)

・塩飴を持って行った方が良い。真備支所まで戻っているときにキツくなって塩飴舐めると回復していくのが分かりました。水ばかり飲んでいると塩分が少なくなってきます。

・自分も含め、ボランティアはみんな「せっかく来たので役に立ちたい」と思って、オリエンテーションで言われた時間を超えて連続で作業をしようとする。そうすると周りのボランティアも休憩し辛くなる。度々休憩をとったところで何か言われたりしません。むしろ、住民の方は毎日作業していて熱中症の危険が分かっているので、休憩をしっかり取るよう勧めてくれる。張り切っているボランティアが危険。